2018-11-12
鹿児島ふるさとの昔話
発行所 株式会社 南方新社
発行者 向原祥隆氏
編者 下野敏見氏
「鹿児島ふるさとの昔話」より鹿児島県内各地に伝わる昔話をお伝えします。大河ドラマ「
狩人と子の運命
昔、ある所に一人の狩人がおって山に狩りに行ったら日が暮れた。山に泊まっちょったところが近くで声がしたげな。
「おーい、水神どん」
「おーい、山ん神どん」
「
「うーん、
「その子の運命はどうやったや」
「その子は十三の年の
狩人はこれを聞いて、大腹を抱えていた妻のことが心配になった。やがて、東の空が白むと、急いで家へ戻ってみた。すると、案の定赤子が生まれていたそうじゃ。
狩人は神様たちの話はこの子のことじゃったか、じゃばって(でも)、カカに言えば、カカが血の
時の経つのは早かもんで、その子が十三歳になって八月になった、と。村は、水神祭りで
「ああ、いよいよ今日が
とつぶやいて、その子を庭の柿の木に
「今日は水神踊いの日じゃ。こん子を踊い見に連れて行かんなならん」
「うんにゃ、今日はこん子は
狩人が言うと、カカは合点せず縄をほどきだした。その時、カカの眼がきらりと光ったのを狩人は見逃さなかった。
「うーん、お
と
「もう、これまで」
と思って、鉄砲を
こういうわけじゃから、八月には水神祭りを盛んにせんとならんちゅ