資料館だより

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特別編 「種子島相撲大会②」

 資料館だより462号に掲載したとおり、種子島の糖業振興を目的として始まった種子島相撲大会。今年も11月26日に多くの「たね相撲」ファンが激しい檄と温かい声援を送る中、熱戦が繰り広げられました。
 団体戦の小学生の部、中学生の部では惜しくも2位という成績でしたが、一般の部においては、南種子町戦、西之表市戦とも圧勝し優勝。第42回大会からの連覇を10に伸ばしました。「たね相撲」の50年余りの歴史の中で、10連覇という偉業を達成したのは個人・団体戦ともに初めてのことです。
 この一般の部の団体戦の優勝チームに授与される優勝旗は第1回大会からあるもので、
種子島相撲選手権大会
  優 勝
 種子島相撲連盟
寄贈 日本相撲協会 井筒部屋

と記されています。第1回大会が開催された昭和42年当時の井筒部屋の親方は、本町増田向井町出身の下家道義氏(初代鶴ヶ嶺)であったことから、種子島の相撲文化のさらなる発展の為に寄贈されたものだそうです。
 その井筒親方は、優勝旗を寄贈した5年後の昭和47年3月に60歳という若さで亡くなっていますが、「たね相撲」がこんなにも長く途絶えることなく続き、故郷の人々に愛される行事の一つになっていることを心から喜んでいるのではないでしょうか。

参考文献 「たね相撲よもやま話」 野角忠男氏著